福祉整理から7年後の遺品整理

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福祉整理から7年後の遺品整理


先日、遺品整理の見積依頼を頂き、神戸市灘区のマンションへ向いました。 現場に到着し、マンションのエントランスからエレベーターに乗ろうとした瞬間に「あ、ここへ来たことがある!」と感じ、記憶を辿りました。 確か数年前、福祉整理の家財道具をここへ運びに来たこと、そしてその福祉整理の現場がとても印象深かったことを思い出しました。完全に記憶が戻ったところで、玄関の前に立ちドアホンを押します。

奥から前回の依頼主である息子様が出てこられました。「お久しぶりですね~。あ、社長さん自ら来てくれたんですか?それは嬉しいな…」と迎えてくれました。その息子様は笑顔が優しそうな方ですが、私は7年前のあの日、鬼の形相でお母様と言い合っていたことを思い出していました。

7年前、神戸市須磨区の戸建住宅、一人暮らしのお母様が家にゴミを溜め込んでしまい、その片付けと、一人暮らしは危険だという息子様の判断で灘区にマンションを借りて、そちらへ必要なものを運んだことがあったのです。

その家の片付けの当日、息子様は私に決死の覚悟をされた面持ちで私に仰いました。 「今から恥ずかしい所をお見せすると思います。何があっても母の言うことは訊かず、私の言うとおりに作業してください」と。実はこういった生前に居住者の家財を整理する、いわゆる福祉整理などの場合は、居住者の方が物品に愛着があったりし、ゴミ同然のものでも捨てないでほしいと言われ、作業が中断することがよくあるのです。

当時私も「お母様が捨てないでと言っても、息子様が説得してくれるんだな」ぐらいに思って作業を開始しました。 すると案の定、お母様は私たちが搬出する玄関で「これ置いといて、これ捨てないで」とすべての物に対し言ってこられました。

作業が進まなくなろうとした時、あの笑顔が優しい息子様が突然「うるさい!こんなもの置いといて何の意味があるのか!捨てなさい!」と怒鳴りました。 私たちスタッフも一瞬戸惑うぐらいの変貌ぶりで、息子様の覚悟が私たちの背中を押してくれました。「気にせずどんどん出してください!」と言って頂いたので、作業に集中しました。

しかしお母様はよほど物に執着があるのか、玄関の方から壮絶な親子喧嘩が聞こえてくるのです。 「こんなに家を汚しやがって、恥を知りなさい!」息子様はこの悪化した住環境からお母様を救い、新しいマンションで一から健全な生活をしてもらうために、お母様に暴言ともとれる怒声を上げておられました。

見かねた近所の方が仲裁に来るものの、息子様はヒートアップする一方でお母様を責めておられます。堪り兼ねたお母様が天を仰ぎ「うわーん、お父ちゃーん、○○(息子様の名前)が私の大事なものを捨てる~!」と大泣きしたのです。その時仏間で作業していた私は、お父様の遺影が目に入り作業の手が止まりました。心苦しくて作業ができなくなったのです。

そんな大変な一日を思い出しながら、見積に来た部屋を見渡しました。 そこにはきれいに梱包された家財道具がかたまりになっていました。 「お母様は施設の方に引越されたのですか?」と私が尋ねると、息子様は「先日亡くなったんですよ」と仰いました。

すごく元気だった7年前、ここに物を搬入する時も、「これがない、あれがない!」と言っていたお母様を思い出します。 息子様は「あれからねぇ、近所の人も、環境も全部変わって、最初は荒れて大変だったんです。でもそれなりに慣れてきて、喧嘩もするけど分かち合うことも出てきてねぇ..」としみじみ仰っていました。

きれいに形見分けを済ませてくれたので、後日の作業もあっという間に終わりました。 きれいになった部屋を見て息子様が言いました。 「病院で亡くなる前にね、母が言ったんですよ..ありがとうってね…」と声を詰まらせます。

母のために感情を殺して住環境を守り、そこからの関わりの中で親子の信頼関係を取り戻した息子様、個人的にすごく学ばせてもらったような気がした遺品整理でした。

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