なぜ、息子が…
何度も書いていますが、お子様が先にお亡くなりになった遺品整理は正直辛いです。
今回は息子様が21歳で自宅のワンルームマンションで自殺をされた現場です。 当然ですが親御様は憔悴しきっておられ、言葉の掛けようもありません。 見積時に私もある程度汚れた現場を覚悟していました。 部屋の中に親御様がおられたので驚きました。 「発見が早かったのかな・・。」と思っていたら、壁紙に血が飛び散っているのが目に 入りました。
拭き取った後がありますが、血はそう簡単に取れません。 「相当酷かったはずだが、親御様で掃除されたんだ・・。」 どんな思いで作業されたのかと思うといたたまれない気持ちになります。 「初めましてメモリーズ横尾です。」 そう言って静かにお母様の顔を見ました。 その目は真っ赤に充血していて、「よろしくお願いします。」と上ずった声で小さく挨拶 されました。
その一言に私も、もらい泣きしそうになります。 家の中を見て、なぜ自殺したのかと真剣に思いました。 趣味の品、家財道具など年齢にしては、かなりよい暮らしをされていたのでは・・と 拝察できたからです。 見積中、その遺品のひとつひとつを惜しむように親御様で形見分けされてる姿が 私の心に焼き付いています。
時折、落胆のため息を何度も、何度もされています。 「作業日は、妻は辛くて来れないのですが、私は最後なので付き合ってあげようと 思っています。よろしくお願いします。」とお父様が気丈に話してくれました。 若者の自殺が増えています。 「親より先に死んではいけない!」心からそう思います。