6. 遺品整理のトラブルを未然に防ぐ方法
6-1. 見積書を発行してもらう
どこの遺品整理業者でも無料で見積書を発行してくれますので、見積書は必ず受け取り、料金の詳細と作業内容にどこまで含まれるのかをしっかり確認し、作業終了時まで大切に保管しておきましょう。見積書は、項目が細分化されていることが望ましいと思います。 人件費、処理代、家電リサイクル、配送、リサイクル買取など金額が分かれていて分かりやすいのが望ましいです。 また、処分(廃棄物)に関して適正に処理するのか、きちんと説明できる会社にお願いしましょう。それから、追加費用の発生の有無などは、最初の見積りの段階でよく確認しておくことが大切です。見積書発行時に金額の根拠が説明できない業者や、見積りが『一式』で詳細がない、追加料金の条件を記載(又は説明)しない遺品整理業者は要注意です。
6-2. 必ず契約書を交わしましょう
まともな遺品整理業者であれば、作業の前には必ず契約書を交わします。契約の段階で契約書を発行せずに口頭での説明のみだったり、手付金を要求してくるところは、まともな遺品整理業者とは言えません。総務省行政評価局による「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」では、驚いたことに約4割の遺品整理業者が契約書を交わしていなかったそうです。遺品整理などは相続も関係しています。また所有権が移転するような決め事、キャンセルについてなど決め事はたくさんあります。
さらに、依頼した業者が分別ルールを守らなかったり不法投棄をすると、所有者責任義務によって回収費用や処分費用を依頼者が負わなければいけない場合もございますので注意が必要です。対策としては、廃棄物に関する「所有者放棄」の契約を事前に交わしておくことが大切です。
遺品整理を第三者に委任することを安易な事と思わずに、重要事項がある事を忘れずに業者を選定し、必ず正式な契約書を交わされる事をお勧めします。
6-3. 悪質業者が嫌がることを把握しておく
1. 相談 第三者の介入を嫌う。
2. 時間 即決、即作業したがる。
3. 書類 証拠を残したがらない。
悪質業者は上記の3つのことを嫌う傾向があります。悪質な業者は、都合の良い言葉を並べては即日作業を薦めてきます。相手が冷静になって「考える時間」を与えたくないからです。また、証拠を残したくないので、自社が不利になる契約書などの書類を交わしたがらないのも特徴です。
怪しいと感じた時の対策方法としては「娘に相談してみます」と、言ってみて下さい。優良な業者であれば「是非相談して、ゆっくりとご検討ください」と答えるはずです。しかし、やましい悪質な業者であれば「娘に相談してみます」は、第三者の介入と冷静になる時間を与えてしまい、さらには言質証拠を取られる可能性もあるので、とても嫌う嫌う行為といえます。
6-4. ご依頼者様が事前に準備しておくと良いこと
委託者が整理を代理で行う場合に、トラブルの原因のひとつが「あるはずのものがない」や「残すように伝えたのに捨てられた」です。
対策としては整理前に『遺品整理で捜索してほしい物』、『残す物と残さない物』を明確にしてリストアップしておくことが大切です。作業ルールや手順が業者側に明確に伝わるので、もし遺品整理後にトラブルがあった場合に円滑に解決できます。ポイントとしては、口頭で伝えるのではなく、必ずメモ書きでも構わないので、書面にして現場担当者に手渡すことが大切です。出来れば、コピーをとっておくとより良いでしょう。
また、遺品整理に限らず、空き家整理や福祉整理の場合でも、立ち合いなしで整理業務を委託する時は、事前に現金や金品、貴重品の場所が特定していれば先に持ち出しておくのもトラブルを防ぐことになるでしょう。
6-5. 遺品整理する前に契約事項を確認しておく
基本的に遺品整理は残置物の全撤去を前提として行います。したがって賃貸物件の場合は、遺品整理する前に換気扇、網戸、カーテンレール、照明器具、風呂釜などを撤去するのかを事前に管理会社に確認していただくと円滑に進みます。また、インターネットモデムやケーブルテレビなど個人で契約しているかマンションで契約しているか確認して頂くとトラブルになりません。介護用品(介護ベッドやホータブルトイレ、手すり)などもレンタルの場合がありますので、処分してしまう前に購入品か確認する必要があります。