究極の特殊清掃に挑む
管理会社の方からの問い合わせで「孤独死があって近隣住民に迷惑をかけているので、助けてほしい」と連絡がありました。 見積に行ったのはスタッフ山下君。現場から私に連絡がありました。 「やばいです!これは相当ひどいです…」 百戦錬磨の山下君がそんな事言うのは珍しいと思いました。 必要資材を取りに行き、即作業になりました。 私も別件の見積を終え、応援に駆けつけました。
私が現場のマンションに到着すると、いつもの特殊清掃特有の強い臭いが、すでにマンションの正面玄関(エントランス)でするのです。
「あれ?現場は3階のはず...」3階に向かうにつれて、臭いが異次元の世界に突入していきます。現場は浴室だけのはず…しかも室内は密閉されているはずなのに、建物中に異臭が充満しています。「山下は無事か?」「もしかして悶絶して気絶しているのではないか?」と、いろいろと心配になりながら部屋の前に到着しました。そこには近隣の方が数人集まっておられ「何とかしてくれ!」「お願いします」と、私に頭を下げてきます。 これは集中してやらねばと、気合のスイッチを入れなおして完全防備でいざ入室。
現場は浴室ですが『浴槽の中』で入浴中に亡くなり、死後1ヵ月が経過。浴槽は元々「水」だったとは思えない状態で、そのドス黒い液状の中を大量発生した害虫が水泳をしています。ビジュアルと臭いは例えようのない世界観です。
水を流したいところですが、栓のひもが見当たらない… そしてマンションでこの汚水を流すと取り返しのつかないことになってしまう。 見たことない虫とか皮膚とか.....テンションが急降下するところを何とか踏ん張るのです。 そして、徐々に水が少なくなると…「え?入っちゃいますか!? 山下君…」浴槽の中に突入して作業を進める山下君。本当に君は頼りになります! 最後は汚水を流さずに処理できましたので、近隣の方や下層階の住民の方にご迷惑を掛けることなく洗浄作業が完了です。 後は臭いの元を完全除去します。最後の清掃には臭いを最小限にする秘訣があります。そして最強消臭機の登場です。メモリーズはこの臭いを2日間で完全に除去しました。
管理会社の方、近隣住民の方、実は私もすごく驚きました。 これでメモリーズも更にパワーアップできたかなと思います。 孤独死の臭いは状況によって、対応できるツールと経験が大事だと思います。特に、今回のような特殊清掃の場合は作業手順や施工の方法を間違えれば取り返しがつかないことになりますので、つくづくキャリアの大切さを痛感しました。とにかく山下君、お疲れ様でした…。