床はそのままで…が、悲劇を招く
特殊清掃現場では、判断を誤るととんでもない悲劇を招く場合があります。今回お話しするのは、とある大阪市内のマンションでの出来事。大家さんからのご依頼で、60代の男性の孤独死現場の特殊清掃を行いました。
この現場の特徴は、蛆虫が大量発生していた事です。 ワンルームなのに蛆虫で吸引パックを交換するぐらい、おびただしい数の蛆虫が発生していました。
当然、専門会社としてはクッションフロアをめくってコンクリート剥き出しの状態にして、害虫駆除することをご依頼主である大家さんに強く勧めたのですが…。
大家さんは特殊清掃によって、部屋があまりにも綺麗に仕上がったのを見て感動してくれ「こんなに綺麗になったから、これでいいよ!本当にありがとう」とのことでした。 大家さんは警察と一緒にご遺体の確認をされているので、見違えるほど綺麗になった部屋を見て安堵されたのでしょう。 確かに、臭いも汚れも特殊清掃により完全に消えていますので、追加費用が掛かる剥き出し工事をしたくないと考えるのも当然かもしれません…。
ところが5日後、大家さんから連絡がありました。 「すぐ来てください!!」 作業完了後に喜ばれていた大家さんが苦悶の表情を浮かべています。 部屋に入ると・・・ 案の定、害虫駆除の薬品が行き渡らないクッションフロアの下に逃げていた蛆虫が大量に孵化していました。
ハエは凄い耳障りな周波数で攻撃してきます。 数百匹のハエがすぐそこで飛び回っているのを想像してください…気がおかしくなるような感じがします。
すぐスタッフを急行させ、最初にご提案した通りにクッションフロアをめくって徹底した除去・駆除作業にて対応し、今度こそ大家さんに安心して頂くことができました。ご予算の都合もあるでしょうが、見た目だけの中途半端な作業ではやっぱり問題が発生しますね。それにしてもわずか5日でこの量になるとは、恐るべしです。