『G』屋敷の清掃

葬儀社様から連絡が入りました。「ご遺族が東京から来ていて、ご長男がまだ若くお金が余りないので何とか安くしてあげて欲しい…」との要望でした。お父様がワンルームマンションで孤独死された現場ですが、発見が早かったのが幸いで、臭いなどご近所からのクレームは無いとのことでした。見積には山下君が行ってくれました。「荷物は少ないです。汚れも余りありません。散らかっていますが、軽トラックで大丈夫です。特殊清掃は必要なく、遺品整理のみで大丈夫そうです」「じゃあ、5万で提案してください」「わかりました」というやり取りの後、ご長男様もその金額であれば助かりますとの事で、すぐ作業の準備をすることになりました。

現場は衣類や、コンビニの袋が散乱しており、発見が早かったとはいえ かすかに死臭の臭いが漂っています。「窓開て空気入れ替えよか…」 山下君がベランダの窓を開けた時です。「ボトボトボト…」と、数百匹の「G」が窓の冊子からどっさり落ちてきました。嫌な予感がしました。床のコンビニの袋をさっと取ると、数百匹の「G」が逃げていきます。 前進に鳥肌が立ちました。虫の苦手な山下君は、かなり引き気味です。
すぐに部屋から退散し、車に殺虫剤を取りに戻り、再び現場へ。スイッチを固定し、部屋へ投げ込んで5分後…部屋に入り作業再開。しかし最近の「G」は生命力があるんです。全く効いていない感じで、一歩進むたびに「G」が走りまくります。「これはきついな…」と腹をくくって作業に集中しました。

最後はきれいに掃除したので、見た目は完璧ですが、しばらくするとどこからともなく「G」が壁に2～3匹…。さらに殺虫剤を3本追加し、最終的に45リットルのゴミ袋の半分ぐらい「G」の死骸でした…あの光景はしばらく目に焼付きそうです。結果的には簡単な遺品整理ではなく、『G』屋敷の特殊清掃になってしまった感じです…。メモリーズは、日々色んな現場で頑張ってます（汗）。