弟の孤独死と兄の苦悩

大阪市内のワンルームマンションで67歳の男性が、死後3週間で発見されました。孤独死です。ご依頼主はお兄様で、亡くなられた弟様は昨年末に足を捻挫して、病院通いをしておられたそうです。その時に、お兄様は何回か会って話をして、お元気だったそうです。しかし今月に入って警察から突然の出来事を知らされました。葬儀会館まで迎えに行き、現場まで車でお兄様とお話をしました。 「弟は頑固者でね…」 静かに語られます。
弟様はご自分で商売をされていましたが3回も失敗し、破産もされたそうです。最後は奥様に見放され、4年ぐらい前に離婚されたとお兄様は仰ってました。不安定な弟様を見かねて、気付けばお兄様も1千万ぐらいお金を貸したと嘆いておられました。

現場は腐乱が激しく、臭いも凄まじく そのマンションの近くに別れた奥様が住んでらっしゃるようですが、 亡くなった事は伝えてはおられません。「優しい子でしたが…」お兄様は汚れて、衣類などが散乱した部屋をチラッと見て 「人生ってなんでしょうな…」と呟かれました。私はこういう時、気が効いた事が言えません。「すべてお任せします。全部廃棄して下さい！」と語気を強めて言われました。その言葉には思い出を整理し、必死で前を向こうとする意思を感じました。改めて、人の思いも背負ってする仕事だと感じました。 きれいにさせて頂きます。