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若い女性が自殺…遺族の心情と苦悩


先日、大阪市内のマンションの一室で特殊清掃と遺品整理を行いましたが…残念ながら練炭自殺の現場です。発見が遅くなり部屋はかなり汚れ、臭いも強烈です。亡くなったのは30代前半の女性、あまりにも残念な出来事です。ご依頼主は50代のお母様と20代の妹様で、現場に来られた時はお二人共かなり動揺されていました。なぜ死ななければならなかったのか…それは分かりませんが、後に残されたご遺族様の精神的なダメージは相当なものです。
通常の遺品整理の場合、ご遺族の方は故人との思い出話をよく話してくれます。孤独死の場合は、後悔の念が強く、泣き叫んだり、自分自身を責める言葉が続きます。しかし、ご家族が自殺された場合、特に今回のような若い方が自殺で亡くなられた時のご遺族の方は、ほとんどが「無言」です。不安と戸惑いからか…あるいは現実が理解できていないのか…放心状態で、言葉数が少なく、時折涙を流される…。しかも今回は、死後経過日数が10日程あったので「なぜもっと早く発見してやれなかったのか?」という自責の念も強いと思います。何度となくそういう現場を経験している私ですが、ご遺族の方の心情と苦悩を思うと掛ける言葉が見つかりません。

現場は自殺に用いた灰になった練炭がそのまま残っています。ベッドマットの上で亡くなられていて、ベッドマットに体液が染み込み、フローリングまで広がっていました。臭いは相当なもので、とても一般の方が耐えれるものではありません。言うのは簡単かもしれませんが、親より先に命を絶つのは残念です。
私はベッドマットを撤去した後、洗剤でフローリングを拭きながら「なんで?」と繰り返していました。 作業完了後、部屋を見られた親子は少しホッとした様子で、安堵の表情が見られました。生々しい作業前の部屋を見ているので余計かもしれません。これから通常の生活に戻るにはまだ時間が掛かりそうですが、今回の整理をキッカケに前向きに一歩を踏み出して欲しいです。

この記事を書いた人

横尾将臣

横尾 将臣
所属:メモリーズ株式会社 大阪本社
役職:代表取締役
資格:グリーフケアアドバイザー1級取得

遺品整理専門業者メモリーズ株式会社の創設者。創業から15年が経った今も、現場の最前線に立ち続けている生粋の遺品整理人。
遺品整理業界のパイオニアとして業界を牽引する一方で、若手育成にも尽力。それらの功績が認められ度々メディアなどに紹介されている。

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