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死後1カ月経過の孤独死現場の予想外の臭い


冬場と夏場では特殊清掃の依頼件数が全然違います。夏場は室内温度が上がり、すぐ体が腐敗するため虫が発生し、臭いが部屋、建物に充満します。遺族の方は自分たちで遺品整理がしたくても、臭いが酷いため部屋に入ることができない状況になります。それに対し冬場は気温が低いので、多少発見が遅れても腐敗する速度が夏場に比べ遅いので、家族がお部屋でお片付けをしたり形見分けをすることが可能なケースが多いと思います。

先日、管理会社の依頼で特殊清掃の見積に出かけました。担当者曰く「死後1カ月以上経っているので、相当酷いと思うので覚悟しておいて下さい」と言われたので、かなり気合を入れて現場に向かいました。ご依頼者のご家族と玄関前で待ち合わせと思っておりましたが、なかなか来られないのでマンションの入り口まで上がると、ご家族3人が部屋の中で形見分けをしておりました。
私はまるで狐につままれたようにポカンとしてしまいました。死後1か月です…通常では考えられませんが、冬期であれば臭わない現場もあるのだと驚きました。お布団の上で亡くなっていたので、布団袋に布団を入れて密封して搬出すると、臭いはあっという間に無くなりました。消臭剤を噴霧してオゾンを1時間ほど(通常であれば48時間程度)曝露すると、臭いは完全に消えました。
臭いが残るのを心配していた管理会社の方は、私たちの作業にえらく感動して下さって「次回もお願いしますね」と言ってくれました。もちろん、気温だけではなく建物の構造や向き、部屋の日照位置など、様々な要因が重なってのことだとは思いますが、今までの経験上、死後1カ月経過の孤独死現場でこの程度の臭いで収まっていたことは本当に予想外でした。

この記事を書いた人

横尾将臣

横尾 将臣
所属:メモリーズ株式会社 大阪本社
役職:代表取締役
資格:グリーフケアアドバイザー1級取得

遺品整理専門業者メモリーズ株式会社の創設者。創業から15年が経った今も、現場の最前線に立ち続けている生粋の遺品整理人。
遺品整理業界のパイオニアとして業界を牽引する一方で、若手育成にも尽力。それらの功績が認められ度々メディアなどに紹介されている。

悲惨な現場でも原状復帰

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目を覆いたくなるような凄惨な現場であっても、当然ながら『原状復帰』しなければなりません。しかも特殊清掃の場合は、特に迅速で適切な対応が求められます。

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