メモリーズ

自殺してから遺体発見までに半年…


自殺現場に残されていたメッセージ 先日、メモリーズのホームページを見てくれた方より、問い合わせを頂きました。電話の主は故人の娘様で「父が自殺してしまい…今日、遺体が発見されたんですが…大家さんに早く何とかして欲しいと言われているのです」と、大変困ったご様子でした。電話を頂いた日は、私のみならず全スタッフのスケジュールが夕方までぎっちり入っていましたが、この様な場合、メモリーズは出来る限り協力する事にしています。「現場に行けるのは夜9時頃になりますが…」と伝えると、すぐに折り返しの電話が鳴り「大家さんも近隣の方も早く来て欲しいと言っていますので、遅くても良いのでお願いします」との返事でした。

現場は大阪市内のある賃貸住宅の2DKの部屋で、奥の畳の部屋の布団の上がどす黒く、血が乾いていました。虫も出尽くして、部屋中にハエの死骸が無数に落ちていました。見た瞬間、発見されるまでに相当な日数が経っているとわかりました。
作業中、壁に貼られている紙を剥がしてダンボールに入れ、次の処分品を同じダンボールに入れようとした時に、さっき入れた紙が目に留まりました。「あれ?…」その紙を手にとって驚きました。それはご家族へ宛てたメッセージでしたが、この紙に記入された日時から、私たちが作業を行ったこの日までに、実に半年が経過していたのです。

後で分かった事ですが、故人は奥様が病気で亡くなってから元気をなくし、病気がちになったそうです。残された残置物や遺品の状況から見て、おそらくセルフネグレクトだったと推測できます。それにしても…自殺される事自体悲劇ですが、こんなに日数が経たなければ発見されない事も悲劇です。
コミュニティの崩壊というものを、真剣に考えないといけない時期に来ていると思います。みなさんは、お隣がどんな人が住んでいるかご存知ですか? 挨拶とかされていますか? そして、たまには親御さんに連絡してみましょう。

この記事を書いた人

横尾将臣

横尾 将臣
所属:メモリーズ株式会社 大阪本社
役職:代表取締役
資格:グリーフケアアドバイザー1級取得

遺品整理専門業者メモリーズ株式会社の創設者。創業から15年が経った今も、現場の最前線に立ち続けている生粋の遺品整理人。
遺品整理業界のパイオニアとして業界を牽引する一方で、若手育成にも尽力。それらの功績が認められ度々メディアなどに紹介されている。

悲惨な現場でも原状復帰

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