難易度MAX⁉自殺現場の特殊清掃に挑む

今回のご依頼は、大阪市東成区にある1Kのアパートで起きた自殺現場の特殊清掃です。首吊りによる縊死(いし)状態で発見されたらしく、発見から3日後に管理会社の方からメモリーズに問い合わせを頂きました。なぜ発見から3日後かというと、警察の検視結果がでるまで現場には立入禁止だからです。この日、やっと警察から立ち入り許可が下りたため、特殊清掃を実行することになりました。遺品整理はご遺族に相談し進める予定との事で、先ずは近隣からクレームが出ている異臭問題と害虫駆除などの特殊清掃から先行して進めることになりました。

現場に入ると、既に玄関口から激臭が…カーテンレールに衣類がかかり、布団が敷かれた状態で床には物が散乱、炊飯器には腐ったご飯、ベランダに洗濯物が掛かり、テレビの電源はついたまま…今まで住んでいたかのような生活感がある中で、大量のビールの空き缶と大量のタバコの吸い殻が散乱している状態でした。病気だったのか傷病手当用紙が見つかりましたが、処方された薬は無く、どういう状況だったのか不明です。

脱衣所の手前で自死されたということで、広範囲に血痕や体液が生々しく残っていました。少し離れた壁を超えて、クローゼットの中の隅まで体液が流れ込んでいました。また、糞尿の臭いや跡もあり、クッションフロアをめくると強烈な臭いが立ち込めてきます。さらに、巾木を取ると床の隙間に大量の蛆虫が…発見されたのは3日前ですが、おそらく死後2週間程度は経過していると思われます。しかもゴミ屋敷状態での自殺現場ですので、難易度が最高レベルと言っていい凄惨な現場です。

気を取り直して準備を整え、特殊清掃の開始です。まずは害虫を駆除し、血痕や体液を除去していきます。巾木と床の隙間に体液が流れ込んでいたため、薬品で何度も洗浄した後、シャダーンという特殊な薬剤でコーティングをして、隙間をコーキングで埋めるという作業を繰り返します。それから除菌、オゾン脱臭機を導入して脱臭、消臭…難易度の高い作業で難航しましたが、部屋が広くなかったので4時間ほどで害虫駆除から消臭まで、すべての特殊清掃を終えました。臭いや痕跡が完全に消えていたので、ご依頼主である管理会社の方から大変感謝されました。自画自賛になってしまいますが、このレベルの現場を4時間ほどで完璧に原状復帰出来る業者は、なかなかいないと思います…。