メモリーズ

立会いたくない理由


電話口の向こうから男性が興奮気味に話します「作業は立ち会わなければいけないんですか?」と。私が「立ち会って頂いた方が、色々形見分けできますし…」と言うと 「すべて捨ててくれていいですから!任せますからお願いします!」 と声を荒げてお話になります。「分かりました。では、鍵を預かりに行き、作業終了後に鍵を返す時に集金させて頂きます」と伝えました。
後で分かったのですが、弟様が孤独死されたそうです。私とあまり変らない年齢ですが、離婚、借金など色々とお兄様に迷惑を掛けていたそうです。お兄様は会社に勤め、分譲マンションにご家族で住まわれ、幸せに暮らしておられます。弟様の家には衣類も、食料も何もない状態でした。贅沢品や嗜好品もなく、質素な生活をされていたのでしょう。借金の督促状のような物ばかり目に付きました。「結構大変な生活だな…」と心から思いました。

作業終了後に、唯一見つかった遺品「小さい頃に撮ったと思われるご兄弟の写真」を持って集金にお伺いしました。集金後、お兄様が「あんたらはいい商売だな!」と言い残し玄関のドアを閉めました。結構突き刺さる言葉でした…私たちがどれだけご遺族様の立場で作業しているか、理解してもうにはまだまだ時間が掛かりそうです。

この記事を書いた人

横尾将臣

横尾 将臣
所属:メモリーズ株式会社 大阪本社
役職:代表取締役
資格:グリーフケアアドバイザー1級取得

遺品整理専門業者メモリーズ株式会社の創設者。創業から15年が経った今も、現場の最前線に立ち続けている生粋の遺品整理人。
遺品整理業界のパイオニアとして業界を牽引する一方で、若手育成にも尽力。それらの功績が認められ度々メディアなどに紹介されている。

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遺品整理とは本来、ご遺族の方々が故人を想い、偲び、「思い出を整理する」事だと思います。しかし、遺品整理は精神的にも肉体的にもご負担を感じる大変な作業で『自分でやりたいけどどうにもできない』のは仕方ないことです。

メモリーズは開業以来、15,000件超の遺品整理実績を積み重ねてきており、担当させて頂く遺品整理人は高い志と豊富な経験を持っています。ただ遺品を処分するのではなく、ご遺族の方が前向きな気持ちになれるようにと、心を込めて遺品の片付けのお手伝いさせて頂きます。遺品整理のことでお困りなら、是非、メモリーズにご相談下さい。

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