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弟が孤独死…姉の本音


弟様が孤独死で亡くなったとお姉様より1本の連絡を頂きました。場所は大阪でもご高齢者の独居が多い街です。マンションの前でお姉様と待ち合わせをしました。マンションの前に背の小さい小柄なお姉様が待っておられました。「弟がここで亡くなりました。家財の無さにびっくりしてるんです!」と、お姉様が話されます。ワンルームと聞いていたので、「基本的に荷物はそれほどないだろう」と思いながら部屋に入りました。

唖然…。カラーボックス、小さい衣装ケース2つにチェスト1つに真っ黒に汚れた布団1組。「この寒いのにどうやって生活していたんだろう?」と心配になりました。しかも死後2週間なのに全く臭いません。「どうやって生活していたんでしょう?」お姉様が、私が質問しようと思ったことを聞いてこられました。「本当ですね…」としか答えられません。「でもね、こんな死に方でしたけど、肩の荷が下りました…」と仰いました。「どうしてですか?」と聞くと「経済的にも逼迫しているのは知っていました。兄弟でもそこは中々助けることが 出来なかった。もし、病気でもされて何ヶ月も入院とかになったら私はどうしたらいいか…」 そういう事がふっと気になり、眠れない日々が続いたりしたそうです。「悲しみより、ホッとしています」そういったお姉様の複雑な心境を必死に理解しようとしていました。

最近は年齢を問わず、独居生活者の孤独死案件が増えてきています。特徴として「コンビニ系のゴミ屋敷」か、逆に「質素で物が何もない」の2パターンに分かれる傾向があります。いずれも何かしらの保護や援助の緊急性を要しますが、親族が介入できない場合は行政で保護をお願いするしかありません。しかし、生活保護を嫌がる方や、ギャンブルなどの借金がある場合は生活保護を受けることが出来ません。誰にでも生きる権利はあり、最低限の生活は保証されるべきです。本当に生活に困った場合は、先ずは行政を介して、各機関に相談することをお勧めします。

この記事を書いた人

横尾将臣

横尾 将臣
所属:メモリーズ株式会社 大阪本社
役職:代表取締役
資格:グリーフケアアドバイザー1級取得

遺品整理専門業者メモリーズ株式会社の創設者。創業から15年が経った今も、現場の最前線に立ち続けている生粋の遺品整理人。
遺品整理業界のパイオニアとして業界を牽引する一方で、若手育成にも尽力。それらの功績が認められ度々メディアなどに紹介されている。

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