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息子が孤独死…その時の親の心情


私たちが遺品整理の作業をする中で、一番辛いもの…それは、お子様を先に亡くされた親御様からのご依頼です。今回は、若くして息子様を…しかも、孤独死という形で亡くされたご両親からのご依頼でした。その息子様は、大阪の郊外で一人暮らしをしておられ、お正月は実家で過すのが恒例になっていたそうです。ところが、年末になっても連絡がありません…それでも年頃の息子さんなので、さほど心配もせず、お正月を迎える準備をしておられたそうです。しかし、年が明けても連絡がありません。さすがに心配した親御様が、息子様の家を訪れたら変わり果てた姿になっていました。

死後3週間…親御様はあまりの衝撃的な現実を受け入れる事ができず、見積の時も親御様は息子様の家に入ることが出来ません。そしてただ、ただ、玄関の外で泣いておられるだけでした。冬と言うこともあり、ご遺体はあまり損傷が少なく、臭いもありませんでした。死因は病死との事ですが、持病もなくすごく健康だったそうです。
息子様は音楽が好きだった事を伺っていたので、供養箱にCDやDVDを入れて合同供養する旨を伝えたところ「息子もすごく喜んでいます」と大粒の涙をこぼされていました。

親御様は、息子様をこの寒い中で3週間もそのままにしていたという事が、悔やんでも悔やみきれないのです。そのあまりにもやつれたお顔に、何とか力になってあげたいという気持ちに駆られます。「親より先に死ぬのは最大の親不孝だ」よく聞く言葉ですが、このような現実を見ると重い言葉です。
そして、このような現場が終わると決まって、自分の両親に電話したくなります。「あんたから電話なんて、珍しいな」と言われるのですが…。

この記事を書いた人

横尾将臣

横尾 将臣
所属:メモリーズ株式会社 大阪本社
役職:代表取締役
資格:グリーフケアアドバイザー1級取得

遺品整理専門業者メモリーズ株式会社の創設者。創業から15年が経った今も、現場の最前線に立ち続けている生粋の遺品整理人。
遺品整理業界のパイオニアとして業界を牽引する一方で、若手育成にも尽力。それらの功績が認められ度々メディアなどに紹介されている。

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