メモリーズ

10年放置された家の遺品整理


田舎での遺品整理作業って何か気分いいものです。容赦なく駐車禁止のステッカーを貼る緑のおじさんもいないし、近隣の方も協力的で、空気もおいしく、優しい気分になります。今回は神戸近郊にある、そんな田舎町で行った遺品整理のお話です。その家は6DKの大きな家でした。家の中は古い物ばかり、洋服ダンスの後側は湿気でカビが生えていました。空気が通っていなくて、人が住んいる感じがまったくありませんでした。

この日の作業には、ご実家の最期の整理を見守ろうと、離れて暮らす故人の息子様、娘様などの4人のご家族が立ち会って下さりました。「この家はオヤジがなくなって10年間ほったらかしなんです」と、ご依頼主である白髪交じりのご長男様が教えてくれました。 確かに家電製品などは昭和の雰囲気のする物もあり、家の中はタイムスリップしたような感じがします。押入れから出てくる写真をご家族が囲んで、思い出話に花を咲かせておられます。遺品整理は本来こうあるべきだと私は思います。その皆の笑顔や、話題の内容に、故人の人柄が伝わってきます。
天袋にあった大量の食器の中から、1枚の大皿が出てきました。ご家族の方に見せると「おおー、なつかしい!」と笑顔に。高価な物ではないようですが、ご両親が新婚旅行先で購入されたものらしく、ご家族にとっては大切な思い出だったようです。

食卓には必ずと言っていいほど、このお皿は並んでいたそうです。大皿の存在自体、忘れているような感じでしたが、お皿の表や裏など、懐かしそうに見入っておられました。遺品整理は物を通じて様々な感情が湧いてきます。 遺品を通じて、ご家族様が温かい気持ちになられるのを見ると、いい瞬間に立ち会えたなと、 こちらも笑顔になります。ある程度、年を重ね家族を養っている方が遺品整理に立ち会われた時、現在の親としての家族と、子供だった過去の家族をオーバーラップさせているように感じる時があります。

親が亡くなり、想い出の詰まった遺品を片付ける時に、人は家族を大切にする思いを継承していくのだなって思います。 ご家族で囲んだ食卓、お母様が貼ってくれたバンドエイドが入っている薬箱、お父様と入ったお風呂、夜食を運んでくれた勉強部屋、 ひとつひとつ運び出されるのを、ご長男様は感慨深げにながめておられました。何もなくなった部屋を見て「オヤジはすごい喜んでいると思うよ、ありがとう!」と硬い握手をしました。遺品整理は何と素晴らしい仕事なんだろうかと、誇りに思える日でした。

この記事を書いた人

横尾将臣

横尾 将臣
所属:メモリーズ株式会社 大阪本社
役職:代表取締役
資格:グリーフケアアドバイザー1級取得

遺品整理専門業者メモリーズ株式会社の創設者。創業から15年が経った今も、現場の最前線に立ち続けている生粋の遺品整理人。
遺品整理業界のパイオニアとして業界を牽引する一方で、若手育成にも尽力。それらの功績が認められ度々メディアなどに紹介されている。

遺品整理現場の様子

誠実な遺品整理
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遺品整理とは本来、ご遺族の方々が故人を想い、偲び、「思い出を整理する」事だと思います。しかし、遺品整理は精神的にも肉体的にもご負担を感じる大変な作業で『自分でやりたいけどどうにもできない』のは仕方ないことです。

メモリーズは開業以来、15,000件超の遺品整理実績を積み重ねてきており、担当させて頂く遺品整理人は高い志と豊富な経験を持っています。ただ遺品を処分するのではなく、ご遺族の方が前向きな気持ちになれるようにと、心を込めて遺品の片付けのお手伝いさせて頂きます。遺品整理のことでお困りなら、是非、メモリーズにご相談下さい。

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